ステロイド外用剤の上手な使い方

女の子

ステロイド外用剤(ぬり薬)は皮ふ科で最も使っている薬で、皮ふ科医はこれがないと仕事になりません。

湿疹、アトピー、虫刺され、薬疹など、ほとんどのかゆみが出る病気はこの薬を使えば治まります。例外はじんま疹と感染症ぐらい。しかも感染症のとびひや水虫はステロイド外用剤が禁忌ですが、それでも早くかゆみを改善させるため短期的に使います。

こんなに使えるステロイド外用剤。皮ふ科医は何十種類もある中から早く治せるように適切なものを選んで使っています。
何十種類もあり難しそうですが、誰でもわかるように強さ別に5段階に分類されています。
そして、5段階の強さの中から薬を選ぶ基準はたった2つ。1つはどこにつけるか、もう1つは症状のひどさです。
2016-01-16 11.05.57

皮ふは同じように見えますが、場所により薬の吸収が違います。うでの内側を1とした場合、吸収率はホホで13倍、首6倍、陰部42倍もありますから、うでにちょうど良いステロイドを顔に使うと強すぎて副作用が心配に。また手のひらは0.8倍、足首0.4倍、足の裏0.1倍とあまり吸収しません。足首の虫刺されの治りが薬をぬっても悪いのはこのためで、あらかじめ強い薬を使う必要があります。
2016-01-16 11.06.01

また、多くの病気は1人の人に程度の違う症状が混在しています。そのため盛り上がったり、硬いしこりになっていたり、ジュクジュクしたりする場所は強い薬を、逆に軽いかさつきだけの場所は弱い薬を使い、ぬり分ける必要が。最初は難しいですが、アトピーや乾癬など繰り返す病気にかかっている人は症状に合わせて自分で薬のランクを変えて使って欲しいところ。左右で同じような症状が出ている場所に、右は強い薬を、左は弱い薬を使うと比較できていいですよ。

次回はいかに副作用を出さずにステロイド外用剤を長く使っていくかについて説明しますね。来年までお待ち下さい。

白崎医院へ戻る ブログTOPへ