女の子に多い?!頭ジラミ

女の子

スサノオノミコトも頭ジラミに悩んでいたと古事記に書いてあるそうです。
薬がない時代は毛を剃るか、クシで1つ1つ根気よく取り除くしかなく「しらみつぶし」の語源にもなっています。

戦後シラミを激減させたDDT散布の禁止で1980年代より患者数が増え、現在1年間に全国で約83万世帯が頭じらみにかかっています。頭ジラミは頭を接触させることで他人にうつすので、昼寝や体を密着させて遊ぶことの多い未就学児や小学校低学年に多く、知らないうちに他の家族にうつしています。シラミのかゆみは感染して1ヵ月後にやっと出るからです。

頭ジラミの成虫は頭皮から吸血して生きています。肉眼でなんとか見える大きさですが、光を避け毛の間をすばやく移動するので、見つけるのは困難です。一方、卵は毛に産み付けられるので簡単に見つかります。フケとの違いは引っ張ってもなかなか取れないこと。医院に来てもらえれば顕微鏡で区別します。卵か抜け殻かの判断も可能です。

治療はスミスリンシャンプーを3日に1度、5分ほど頭につけてから洗い流します。これを計4回くり返して下さい。繰り返すのはスミスリンが卵に効果がないためで、卵が1週間程で幼虫になるのを待つ必要があるからです。

大抵はこの方法で駆逐できるのですが、最近スミスリンが効かない頭ジラミが出てきているようです。日本には治療薬はスミスリンしかありませんが、昨年ノーベル賞を受賞された大村先生が開発したイベルメクチンも効くことがわかっています。ただし、日本ではまだ厚労省が認めてくれていません。この薬は体重15kg以上の人しか使えませんが、飲み薬なのでシャンプーより楽ですし、保険適応なら子供は治療費がかからなくなるメリットもあります。早く認可してほしいものですね。

白崎医院へ戻る ブログTOPへ