多汗症
「わきが」の原因はアポクリン汗腺でしたが、「多汗症」で問題になるのはエクリン汗腺からの汗。
エクリン汗腺は全身にありますが、特に手足とワキに多く、「多汗症」はここからの汗で困っている場合がほとんどです。緊張して出てくる汗も手足からが多いですよね。
汗は体温を調節する以外に皮ふのうるおいを保ち、細菌やウイルスの侵入を防御する効果もあり、出なくなると大変困りますが、日常生活に支障をきたすほど多いと病気として治療を行います。
有用なのは塩化アルミニウム液です。
乾いた皮ふに1〜2週間連日つけると、汗管がアルミニウムを含む沈着物で詰まり汗が出にくくなります。
効果が弱い場合は濃度の濃いものを使ったり、サランラップで覆う工夫をすると良くなっていく場合がありますし、汗を減らす抗コリン剤という飲み薬を使う方法もあります(コリンは汗の量を調節している神経から出てくる物質です)。
保険適応外になりますが、シワ治療に使っているボドックス注射もコリンを抑えることで汗も減らしてくれます。成人で、したたり落ちるほどの汗で困ってる方は考えても良い治療法です。
心を落ち着かせても汗は出てきますから、困っている場合はご相談下さい。