湿疹(しっしん)って何? 1回目
診察の時に「湿疹ですよ」と言われたことはないですか?
皮ふ科でみる最もありふれた病気で、当院の47%の方が「湿疹」で通院しています。
「湿疹」 は皮ふ炎と同じ意味で、皮膚に炎症が生じている状態です。胃に炎症が起きたら胃炎と言いますよね。胃炎はお腹が痛くなりますが、皮膚炎はかゆく赤くなります(胃炎も内視鏡でみると胃が赤くなっていますよ)。
皮ふの一番外側は細胞と細胞がぎっしりとレンガのように積み重なって体の中を守っていますが、「湿疹」はこの一部が壊れて白く抜けています。壊しているのは白血球。普段は菌を殺す役割を担っていますが、皮ふに付着した異物にも反応します。
うるし、金属、毛染め、湿布など、特定の物に触れるとアレルギーでかゆくなる人がいますよね。これが「湿疹」の代表で、正式には「接触皮ふ炎」といいます。
一方、肌が健康なら何も悪さをしない汗、衣類のこすれ、髪の毛、シャンプーや化粧品、引っかく動作などでも「湿疹」が出来ることがあります。それは肌が乾燥している時で、生まれながらに潤い成分が少ないアトピー性皮膚炎の方や加齢とともに潤い成分が少なくなる高齢者でよくみられます。
どうして乾燥すると「湿疹」 ができるのでしょう? 次回はその理由を説明しますね。
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