帯状疱疹はワクチンで予防する時代に
「水痘ワクチン」が帯状疱疹の予防に対して適応が追加されました。アメリカより7〜8年遅れての導入ですが、これまでのワクチン行政を考えれば早い方なのだと思います。
今回はQ&Aで帯状疱疹予防ワクチンについてまとめました。以下を参考に接種を検討してみて下さい。
Q)対象の方は?
A)50才以上のかたです。弱毒生ワクチンのため他の病気で飲み薬のステロイドや免疫抑制剤、生物製剤の注射を受けている方は接種できません。
Q)どうして帯状疱疹を予防した方がいいの?
A)帯状疱疹を軽くすませ、痛みが長く続く帯状疱疹後神経痛への移行を減らすためです。帯状疱疹は80才までに3人に1人がかかるありふれた病気で、15年前に比べ1.3倍増加しています。帯状疱疹には特効薬があり皮膚症状は10〜14日程でよくなりますが、そのうち7人に1人が帯状疱疹後神経痛に移行します。
Q)自分に帯状疱疹に対する免疫が残っているか調べられますか?
A)薄めた「水痘ワクチン」をうでの皮ふに少量注射して、翌日赤くなるかで調べます。この反応は年齢とともに低下することが知られ、赤みが5mm未満の人が帯状疱疹後神経痛になるリスクは5mm以上の人の14倍と計算されています。 一度帯状疱疹になった人もこの反応をみればもう一度帯状疱疹になるかを予測することができます。
Q)「水痘ワクチン」の予防効果は?
A)帯状疱疹を半減させ、帯状疱疹後神経痛を3分の1に減らす効果があります。水痘ワクチンにより免疫を高めておくと、帯状疱疹にかかったとしても症状は軽く済みます。
Q)「水痘ワクチン」の副反応は?
A)多いものは注射部位の赤みや硬結、痛みです。時に発疹や倦怠感が出現することがあります。まれな副反応にアナフィラキシーと血小板の低下があります。アナフィラキシーは投与30分以内に生じるので、注射後はしばらく院内にいてもらいます。
Q)費用は?
A)税込みで8,100円です。