紫外線を使った治療法

女の子

日光浴は昔から体に良いと考えられ、古代エジプトでも治療に使われていました。

現代では太陽光線の代わりに紫外線照射器を使って、白く抜けた皮膚の色を戻すだけではなく、通常の治療で治らないアトピー性皮膚炎や乾癬のかゆみや赤みを減らしたり、円形脱毛症の治療にも応用されています。

私が皮膚科医になった頃は照射時間短縮のため紫外線に過敏になる薬をわざわざぬってから照射していましたが、2000年代に入りナローバンドUVBという新しい照射器が開発され、1〜2分当てるだけで治療効果が出るようになりました。ナローバンドUVBは発ガンリスクの高い波長をカットして、治療効果の高い311〜313nmの光しか出ないランプを使うのが特徴です(紫外線で本当に恐いのはシミやシワではなく、皮膚ガンなのです)。見た目は天井についている普通の蛍光灯のようにみえますが、出る光が特殊ということで、ランプ代が1本なんと10万円もかかります。

どうして色々な皮ふの病気に効果があるの?と疑問に思うかも知れません。
アトピー、乾癬、円形脱毛症ではリンパ球という免疫に関係する細胞が皮ふに集まり、かゆみや赤みを作り出しています。紫外線はこのリンパ球を減らすことで、治療効果を発揮するのです。

光老化は確かに嫌ですが、知識を使って上手に紫外線と付き合っていくのがいいですよね。

白崎医院へ戻る ブログTOPへ