とびひと耐性菌

女の子

暑くなり増えるのが「とびひ」ですね。

「とびひ」は 黄色ブドウ球菌や連鎖球菌といった細菌がおこす子どもの感染症です。皮ふに感染した細菌が毒素を出して水ぶくれを作り、この水ぶくれが破けて周りの皮ふや他の子どもに飛び火します。

石けんで良く洗い、菌を殺す抗生物質を使えば簡単に良くなる病気ですが、抗生物質が効かない黄色ブドウ球菌(MRSAといいます)が原因の場合は事情が異なります。実際MRSAはありふれていて、当院の「とびひ」の約3割はMRSAです。ただ幸いなことにすべての抗生物質が効かないわけではなく、良く使うセフェム系という抗生物質は効果がありませんが、ホスミシンやミノマイシンといった別の抗生物質は有効です。ただ、困ったことにこのホスミシンも効かないMRSAが最近時々みられるようになっています。

折しも、伊勢志摩サミットで耐性菌研究の推進を盛り込んだ首脳宣言が出され、政府も耐性菌を出さなくするために抗生物質の使用を3割減らす方針を今年4月に掲げました。当院でも数年前から、全身に広がっていない「とびひ」は抗生物質の飲み薬を最初から使わず、ぬり薬の抗生物質とかゆみ抑える治療をまず行い、悪化した場合にはじめて飲み薬を追加するようにしています。

少し治るのに日数がかかる場合もありますが、飲み薬の抗生物質を減らし耐性菌を出さなくすることも大切ですから、ご理解頂ければ幸いです。

とびひ

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