「にきび」の新しいぬり薬:BPO
4月から日本でも「にきび」のぬり薬、過酸化ベンゾイル(BPO)がやっと認可されます。
アメリカでは1960年代から使われていて、このBPOを含むアメリカ版プロアクティブやクレアラシルは世界中でよく売れています(逆に言えば、BPOを含まない日本版はあまり効果がありません)。なぜ日本での認可がこんなに遅くなったのかは分かりませんが、とにかく、治療薬が増えるのはよいことですね。
BPOは「にきび菌」を殺菌する効果があります。
これまで使っているぬり薬や飲み薬の抗生物質も「にきび菌」を殺菌しますが、長く使うと耐性菌(薬が効かない菌)が増える恐れがあります。BPOの抗菌作用はBPOが分解されて生じるフリーラジカル(活性酸素の一種)によるもので、耐性菌ができにくいと言われています。当院でにきび治療を受けても「赤にきび」が治りにくい方は耐性菌の可能性があるのではないかと私は疑っていて、そういう方にまず使ってもらいたい薬です。
BPOにはもう一つ角質を剥離するピーリング作用があります。
毛穴の詰まりを除去するピーリング作用で「白にきび」も改善し良いのですが、このため逆に2割ぐらいの方は皮膚がむけたり、赤くなったりと刺激感を感じます。ただし、この刺激感は最初の1ヵ月が強く徐々に慣れていくので、多くの方は使い続けられると考えています。
「にきび」に悩んでいる人が近くにいたら教えてあげて下さいね。