「茶のしずく石けん」による小麦アレルギーからの教訓
のべ467万人が購入したとされる悠香の「茶のしずく石けん」。2010年頃にこの石けんを使用した人に小麦アレルギーが頻発し、製品の自主回収が行われました。
「茶のしずく」にはもちもちの泡を作るために「グルパラール19S」という小麦を分解した成分が含まれていて、これが皮ふから体内に吸収され、「グルパラール19S」を認識する抗体が作られ、小麦製品を食べた時にアレルギーを起こすように。
「グルパラール19S」は保湿効果もあるため、これを含む化粧品はこれまでも販売されていましたが、「茶のしずく」程の問題にはなっていません。それは「グルパラール19S」かなり大きい物質で健康な皮ふからは体内に吸収されないためです。今回は石けんの界面活性剤が皮ふを守ってくれている皮脂膜や角質を除去したために、通常は入らない「グルパラール19S」が体内に入ったため発症したと考えられています。
この現象は経皮感作(けいひかんさ)と呼ばれています。以前は食べ物を食べているうちにアレルギーが発症すると考えられていましたが、今は経皮感作が食物アレルギーの主な原因と考えられています。
前回配信した納豆や牛肉アレルギーも経皮感作ですし、イギリスではピーナッツアレルギーになる子どもはピーナッツオイルをぬっていた子が多かったそうです。
肌がまだ弱い乳児や乾燥肌の子どもは、食物由来の成分を含む製品は使用しない方がいいですね。